On the Denmark: Dialogue

デンマークの滞在で起きたこと、感じたこと、行ったこと、分かったこと

59日目「当事者がつくったものをどう扱うのか」

2017.10.24

あっという間の2日間が過ぎていった。Petaの研究紹介もあって面白かった。驚いたことは、当たり前のようにリズ・サンダースが引用される授業。もはやデンマークでは、常識扱いに近い。こうやって学生は、知識を得ていくんだって分かる。

 

Petaと少しCo-designについて、ディスカッションできたのが本当にありがたかった。当事者がワークショップを通して、理想のデバイス、サービスやシステムを考えたとして、そういったものをその後、どういう風に扱っていくのと質問した。Petaは次のように答えてくれた。

 

「そのまま扱うことはまずない。当事者はデザイナーではないから。大事なのは、デザイナーがその成果物をみて、分けることなんだ。そのためにモデルがいるんだよ。デザイナーはその成果物に含まれている内容を細かく分解して、モデルに再配置して、整理するんだ。たとえば、私の8レイヤーズとかを使ってね。」

 

なるほど。このモデルを分析の下敷きにするという考え方が新しかった。いままで、モデルって全体を見渡すために使うのかと思っていただが、整理するための下敷きにもなるんだってことが分かった。そうやってCo-designを進めていっていることが分かった。

 

2日間の授業が終わった後、トリーナに質問した。このウェルフェアデザインって海外講師が外から頻繁に来るんだけど、これって当たり前なの?一般的なの?と。トリーナは以下のような返答をくれた。

 

特別なんだよ。この授業は。まず授業についているスポンサーからの予算が大きい金額がついている。だから外部講師を外から呼べる費用を持てる。そして、私の研究の一環にもなっている。だから私はこの授業が実験室となっている。そして、学生は最新の知識と先生のもとで学んでいく。その学生の提案したデザインから、企業は学んでいく。全員がwin-win-winでつながる仕組みをこの授業がもっているのは、スポンサードと私の研究があるからなんだ(外部つながりがあるからなんだ)みたいなことだった。

 

やっぱり、予算がつくってとても大切なことなんだなと実感する。そんな授業に潜らせてもらって、担当者のトリーナには感謝しかない。本当にありがとう。

 

つづく