On the Denmark: Dialogue

デンマークの滞在で起きたこと、感じたこと、行ったこと、分かったこと

140〜151日目「Design Camp 2018」

2018.01.22 〜 2018.02.02

PLAY - the design way | Designskolen Kolding

 

 

毎年、Design school Koldingが開催しているDesign Campというイベントの招待がきたので、参加してきた。このイベント、世界中のデザインスクールから学生が集まる。(飛行機代、宿泊費はEUファンドが全額負担)なんとも羨ましい。

 

今年のテーマは「Design for Play」。このテーマを元に、スポンサー企業が課題を学校側に提出し、学生が中心となって、10日間で課題解決の提案をする。デンマークを代表する企業(Danske Bank、LEGOなど)はもちろん、スターバックスなども参画していた。自分たちのチームは「LEGO」がクライアントだった。

 

このプロジェクトを通して、本当にたくさんのことを学んだので、一時帰国時にFindingsをまとめて、自分の会社では共有したが、契約書にサインしている関係で、どこまでパブリックに書いてよいのか分からない…。から怖くて書けない。

 

書ける範囲で記述すると、まず、僕らのチームは、クライアントがLEGOだった。このイベント、課題を見極める作業が既におこなわれて、HMWは設定されている。よくある学生向けのイベントで、リサーチが終わってから課題抽出して、時間切れみたいなことにはならない配慮がそこにはあり、なるほどっと思った。恐らく、学校側とクライアント側で事前の課題のすり合わせを実施していたのかなと。

 

とにかく、LEGOから提示された課題は「LEGO遊びをやめたた女の子に、どうやってLEGOを売るか?SNSを活用して!」が、私たちに与えられた課題だった。(この課題は、おもちゃ業界の共通課題でもある)そして、この課題、難易度が非常に高かった。それもそのはず、後で聞いたら、このLEGOのスポンサー料は、他と比べてちょっと違った。

 

いわゆる、ジェネレーションZ世代に対して、LEGOが頭をリアルで抱えている問題にたいし、私たちのチームは挑まなければいけなかった。そして、そこの市場を切り開けると、LEGOは、莫大なマーケトを手に入れることができる。そりゃあ、LEGOも本気を出す。

 

私たちのチーム構成は

プロダクト(台湾人:ポー)※社会人経験者

建築家(エクアドル人:ジョージj)※社会人経験者

エクスペリエンス(日本人:ヒラノ)※社会人経験者

グラフィック(デンマーク人:シンチィア)

サービスデザイナー(ノルウェー人:ユリア)※社会人経験者

インテリア(アメリカ人:ダニエル)※社会人経験者

 

で、社会人学生5人という、専門領域も別れていて、アベンジャーズみたいなチームメンバーだった。みんなメチャクチャ頭の回転が早く、やることなすこと明確。ただし、この手のワークショップあるあるだけど、ラスト3日で、グループからチームになれた。それまでは、みんな本気じゃなかった。ラスト3日は、アイコンタクトレベルで全てが進んだ。それくらい、チームビルディングの大切さを学んだ。

 

バックグラウンドが異なるため、リサーチウォールは必須アイテムとなった。SNSひとつとっても、USで流行しているアプリと欧州で流行しているアプリは異なるし、デンマークとドイツの隣合う国を比べても違う。日本のSNSは、もはやガラパゴス化しているし、中国にいたっては、鎖国状態。そんな状態で、いったい、どこのユーザの話をしているんだと、定義するところから始めなければならない。

 

だからこそ、話し合いが終わるとすぐに、図式化して、みんなの共通理解を促すといったことが大切だった。そして、サービスデザインのツールは、このためにあるんだって身をもって分かった。

 

最終的プレゼンでは、この理不尽な問題に対して、本当にガチのデザインシンキングを得て、出したソリューションが、とてつもない刺さり方をした(当社比)

 

担当者が興奮気味にコメントを出し、事業責任者から、直接お礼まで言われた。恐らく商品化されるだろう。(と信じたい。リップサービスかもしれないから)

 

このプロジェクトを通して、やればできるんだっていう当たり前の自己肯定感を得られたことが、鬱真っ只中の自分にはありがたかった。もちろん、それは超優秀なメンバーに囲まれたことも大きい。

 

ちなみに、複数人での英語の話し合いには、ついていけず、基本的には、図式化とセットで説明。マンツーマンであれば、自分の意見を言う。みたいなことをやっていたら、いつのまにか、トモの意見は、まとえているから、みたいな感じで意見を聞きにきてくれるようになって、なんだかそれが、信頼されたみたいで嬉しかった。

 

もう凝り固まっているので、英語脳にはなれないし、ネイティブみたいなキレイな発音もできないけど、自分の英語での戦いのやり方が少し分かった気がした。誰もがいうけど、それは、まあひとつの言い訳だけど、今風な言葉を使っていうならば、「リフレーム」なのだ。つまり、

大事なことは、コミュニケーションを通して課題を解決すること、そのデザインに意味を見出すことであって、英語を流暢に話すことでなかったんだ。(いや、でもやっぱりキレイな英語で話したいなぁ)

 

オフィシャルコメント

 

www.designskolenkolding.dk

 

"What I think is so great about these design students is that they are user-driven. They take their point of departure in the current needs and try to analyse these, and instinctively they incorporate insights into their design."
Søren Lethin, Concept Director, LEGO Group