On the Denmark: Dialogue

デンマークの滞在で起きたこと、感じたこと、行ったこと、分かったこと

48日目「SarahとJack3(もうひとつのペルソナ)」

2017.10.12

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このプロジェクトの狙いは、パーソナリティに関連する「物語り(Narrative)」と「神話(myths)」を探求すること。

 

「SarahとJack」の特別授業は新しい視座を僕に与えてくれた。

 

デザインパートナーにインタビューをするところまでは、いつもどおり。しかし、そこからの深掘りを「ペルソナシート」や「共感マップ」のようなドキュメントベース(2次元)で進むのではなく、トーテムポールのようなモニュメント(3次元)をつくることで進めるのだ。

 

対象者のパーソナリティを10個のモニュメントで表現すること。そして、そこから物語りや神話を語る。簡単にいうとそういった流れだが、実際での体感としては、モニュメントづくりを通して、インタビューの内容のリフレクションをおこなっている行為に近い。まさしく、Making is Thinkingである。手を動かすことで、考えを整理しつつ、目の前のカタチから新しい考えをさらに生むのだ。

 

そして、3次元として、そこに立ち現れ、存在することで、強烈にパーソナリティが象徴化させる。モニュメントである以上、そこに説明行為はない。表現行為によって、パーソナリティを炙り出すというアプローチだ。もちろん、この手法の背景には、Claude Lévi-Straussがいる。哲学を下敷きに新しい手法が開発されていくことが分かる。

 

後日これをもとに、デザインパートナーと再度、インタビューをした。指差しながら、対話が進む。そして、また深掘る。表現が駆動する知的行為とは、こういったことなのだということを実感した。


マツダの鼓動の彫刻は、これにアプローチのように感じる。

http://www.mazda.com/ja/innovation/design/

 

つづく