On the Denmark: Dialogue

デンマークの滞在で起きたこと、感じたこと、行ったこと、分かったこと

20日目「Joanの誕生日から感じる人間らしい働き方について」

2017.09.14

チョコレートの中にマシュマロが詰まっているお菓子

 

ブレストやる時は、かならなずこういったフルーツとかお菓子を用意している(らしい)

 

デンマークのグミみたいなお菓子

 

今日は、Joanの誕生日でした。

デンマークでは、誕生日の人が周りの人にケーキやお菓子などをプレゼントする習慣があります。日本では周りの人が誕生日の人に対して、ケーキを買ったりするので真逆ですね。

 

学校の職員全体メールで、

今日は、なんて良い日なんでしょう!お菓子をスタッフルームに用意しました!
早い者勝ち;-)  良い1日を!
スタッフルームにあるよ!急げ! ;-)

 

みたいなとてもフレンドリーなメールが飛んできます。組織の歯車としてではなく、ひとりの人間として、仕事しているんだなってつくづく感じます。職員全体としては、そんな感じでしたが、ラボとしては、1時間ほどケーキタイムが設けられていました。みんなでミーティングルームに集まり、コーヒーとケーキをみんなで食べました。直前まで、別プロジェクトのブレストしていたらしいのですが、時間になったらきっぱりと辞めて、ケーキタイムとなりました。

 

彼らと話して、少し分かったことは、意外と土日も家で仕事をしているという事実でした。金曜日は本当に早く帰るのですが…14:00にはもう終わりムードが漂い始める(※そもそも、出勤しない人も多い)のですが、一方、在宅で集中している時に、仕事をするみたいな雰囲気も感じます。集中力が切れたらさっぱり辞めて帰る。そういう働き方なのだと思います。人間らしいなと、ここでも思いました。なお、Joanは毎日朝の8時から仕事を開始しているので、朝はかなり早いです!

 

日本の働き方と比べて、思うところは「遊び(余白)」みたいなものが働き方の中に組み込まれている瞬間を良くを感じます。例えば、ラボにはカレンダーがあって、全員の誕生日が分かるようにしているや、額縁の中にポストイットの付箋を貼ってアイデアを考えたり、金曜日にお先に帰る時は、このようなポストイットでメッセージを残したりします。こういうコミュニケーションって凄く大切なんだなって感じます。そして、貰った側は地味に嬉しい。

 地味に嬉しい。毎回全部写真に残している。ノートに張っている。

 

 

この学校でも今年から、マスタープログラムとして、Design for Playというコースが新設されました。教室そのものが遊具空間みたいになっています。(ジャングルジムが中にあります。※現在工事中)

 

このプレイフルみたいな考え方がとても大事なんだなとつくづく感じます。どうしても、日本にそれを持ち込むと、フザケている&サボっているみたいな印象になってしまいますが、こういった遊びを通して、コミュニケーションが図られて、システムで補えない部分を保管しあうのではないかなと感じます。

 

話はDesign for Playに戻りますが、僕はこの「for」という単語をつかって、修士プログラムをつくったことに驚きました。一般的には、Communication Design, Product Design, Interaction Designといった、学生が学ぶデザインの領域を区切ることで、その専門性を定義しますが、この新しいプログラムは、そうではなく「for」という言葉を使いました。

 

つまり、「デザインの力を〇〇のために使っていこう!」といったメッセージを読み取れたからです。いわゆるWicked Problemを解決していくには、専門性をまたいだやり取りが必要になることは自明です。そして、そのためにデザイン学校がやるべきこととして、designのdivisionを定義して、分けるのではなく「for」を掲げた修士プログラムをつくったのではないかなと思いました。

 

IDEOのTim Brown氏は、それと似たようなことを2008年に発表しているので、改めて凄さを体感しました。

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